「楷」は中国では模範の木とされており,日本においても書体の「楷書」の語源とされていて,訓は「ノリ」,意味は「つよく
まっすぐ」「てほん」です。 楷の木は,漆樹科の落葉喬木で,中国では,楷木,奥連木,黄連木と呼ばれ,台湾では欄心木(らん
しんぼく)と呼んでいます。和名は「ナンバンナゼノキ」または「トネリバハゼノキ」といい,イチョウと同様,雌株,雄株の区
別があります。実をつけるまでに20年もかかり,それまでは雌雄の区別がまったくつきません。また,発芽率は低い(50%程度)が,
成長力は大きく,樹齢は700年にも達し,樹高は30mになります。現在,日本では非常に少ない木として珍重されています。
発芽率の低い楷の木ですが,その成長と,四季折々に見せる美しい佇まい,特に秋の紅葉はすばらしいことが有名です。
孔子にちなんでこの楷の木を「学問の木」と呼ぶようになり,紅葉した落ち葉を大事そうに持ち帰る受験生もいます。